December, 2011
     

  「垢」AKA  
 
 
 

 2011年、最後の月となりました。
 今年は皆さんにとって、どんな年でしたか?

 私たち、日本人は、今年、大きな悲しみを体験しました。
 東日本大震災。
 今も続く原発事故の問題。
 原発の放射能の問題については、子供たち、・・未来の子供たちに対して、申し訳ない思いでいっぱいです。
 人間が作り出した、この地球という生態系では分解し得ないもの。自分たちの贅沢な暮らしのために、私たちのエゴが作り出した問題です。

 ただ、そうしたことに目を向ける、気づくきっかけを与えてくれたのは、今回の震災や事故のおかげでもあります。
 やはり、起きて来る出来事に私たちが勝手に「善し悪し」はつけられない。全てに意味があるのですね。
 大変辛い出来事の陰に、実は大きな「愛」が隠されている・・。
 そんな風にも思います。


 大きな大きな悲しみがあった。
 大切なものを失った・・。
 辛く苦しい時間が流れた。
 これから先、いったいどうしたらよいのか分からないような瞬間があった。

 それでも・・
 今、私たちは生かされている。
 あなたも。
 私も。

 ありがたいですね。

 私たちは、まだ、生かされている。


 さて、今年、大きな社会的な変化や、問題だけでなく、個人の生活において大変な変化や新たな問題が浮上したり、明らかになったケ-スが多かったのではないでしょうか?
 私の周辺の人たちも色々な変化を体験しています。
 そんな中で、聞くのが
 「チベット体操をやっていて本当によかった・・」という声。
 私自身もそうです。
 チベット体操をしているおかげで、乗り越えることが出来た。
 身体が辛くて・・心も重くて、とてもチベット体操なんか出来ない・・。
 そう思った時でも、とにかくクルクル回ってみる。
 そして、二番目の儀式で足を上げてみる。
 そうやって、だましだましでも体操をやりきると・・
 あらら、不思議。
 体操をやる前はどうやって身体を立てよう・・などと思っているぐらいの状態でも、体操を終わると、重さは消え、すごく軽くなっている。
 エネルギ-が回り始めた・・。身体が熱くなって来る・・。
 よし、今日もしっかり生きる!
 と気力も湧いて来る。

 本当にチベット体操をやっていてよかった・・。
 ありがたいですね。

 さて、今年もあとわずか・・。
 身体に積もった垢。
 心に積もった垢。
 環境に積もった垢。

 垢落としをしましょう。
 「垢」とは仏教用語で「煩悩」のことを言うそうです。

 今年積もった垢は、今年中に落として、キレイになって新年を迎えましょう。
 身体はきれいに。
 心もきれいに。
 お家もきれいに。

 大晦日に「除夜の鐘」が撞かれますね。
 百八つ。

 人間には煩悩が百八つあると言われています。
 鐘とともにその一つ一つを浄化して行く。

 私たち人間には愛着、執着がたくさんある。                    

離しがたい感情や感覚を手放す。
 清浄な心と身体で新年を迎える。

 そのために大晦日、鐘が撞かれるのだそうです。

 31日までに・・自分自身で「垢落とし」をしましょう。
 どうやって?
 色々、方法はあるでしょう。
 私からは「チベット体操」をしっかりやることが一つ目のおすすめ。
 そして・・意識的にでも「手放す」という意識を持つこと。
 何か離しがたい感情、感覚、思いがあるとしたら
 それを意識的に「××を手放します」とアフォメ-ションされるとよいでしょう。
 大掃除をすることも実は「心」と「身体」の垢落としになりますね。
 片づけること、掃除することは「意識」からやることですから、心とも身体ともつながっています。

 そして、どうぞ、大晦日には「除夜の鐘」を聴きましょう。
 私たちの「煩悩」を浄化してくれる、ありがたい鐘の音です。

 2011年があなたにとって、意義深い、そして、大切な一年として終えられますように・・・。

 愛と感謝をこめて。

 
   
  2011年12月   梶本恵美