February, 2012
     

  「清」SEI  
 
 
 

 みなさま、寒中お見舞い申し上げます。
 今年の冬は寒いですね・・・。
 チベット体操をしているおかげで身体は芯からポカポカしていますが
 夜になると、手袋が欲しくなるほど外の風は冷たいです。

 私は京都生まれ、京都育ちです。
 京都の冬は底冷えして本当に寒かったです。
 私の育った嵯峨野では「愛宕山」から「愛宕おろし」が吹いて来て、高校生の頃、バス停から家への帰り道がちょうど、愛宕山に向かう方向だったので、その愛宕おろしが本当に痛いほど冷たくて・・嫌いでした。
 また、四年ほど暮らしていたシカゴではマイナス20度というのはざらでマイナス10度の日は「今日はまだいいね・・」などと言っていました。
 そんな極寒から比べれば、東京の寒さなど寒さのうちに入らない。

 今年の冬は例年より寒く感じますが・・暖房もあり、どうしようもなく寒い環境に耐え忍ばないといけないような暮らしもしていない。なんと恵まれていることでしょう。
 衣類にしろ、暖房にしろ、また、あたたかい食べ物にしろ、まったく私たちは恵まれています。つくづく有り難いことだと思います。

 一日の中に、あるいは、たった今、この瞬間においても、感謝することはいくらでもありますね。本当に私たちは恵まれている。

 さて、風邪も流行っています。インフルエンザも流行っています。
 まだまだこれから猛威をふるって行くのかも知れません。
 私はインフルエンザの予防接種は打たないし、風邪の特別な予防もしていません。
 ところが、子育て中は風邪をひいたり、インフルエンザにかかることはなかった。
 そして、今、チベット体操を始めてからも、インフルエンザにはかからず、また、風邪にもまず、かかることがない。
 菌はどこにでもあるし、発症するかどうかは免疫次第ですね。
 チベット体操をしていると、その免疫が高いおかげでかからにくくなっているのだと思います。
 その免疫に関係するお話です。

 体は心に逆らえない。
 それは常に心のなすままである。~ジェ-ムス・アレンの言葉

 私たちの心の習慣は、その体に現れます。
 清らかな心は体を健康にし
 汚れた心は体を不健康にする。                         
 どんなに食生活に気を配っても
 心に清らかな思いを巡らせていないと澄んだ血液を手にすることは出来ない。

 濁った思いで満たされていると、血液は汚れて行きます。
 その反対に、清らかな思いで満たされていると、血液は澄んで行きます。

 常に清らかな思いを巡らすことが出来た時
 最早どんな病原菌も気づかう必要がなくなる。

 さらに、その時から人は、とても自然に不純な食べ物を好まなくなる。

 悪意、羨望、怒り、不安、絶望・・。
 そうしたネガティブな思考、思いは体から健康と美しさを奪う。

 憂鬱な顔は憂鬱な心によって作られるし
 醜いシワは、意地悪だったり、短気だったり、暗い考えによって刻まれる。

 私たちの住まいを明るく快適なものとするためには
 そこを新鮮な空気と太陽の光で満たさなくてはならない。

 それと同じで、強い体と、明るくおだやかな顔つきは
 心を喜びと善意で満たすことによって作られる。

 よく、体と心は結びついている、「病は気から」と言いますが
 本当にその通りです。

 私たちが健康を手に入れたいなら、まず「心」を清らかにして行くこと。

 病気になることを恐れている人は、やがて、その病気にかかってしまう。
 不安は体の正しい機能を乱し、それは引いては病気に対して無防備です。

 不純な思いは、たとえ行動に現れなくても、神経系をズタズタにしてしまう。

 一方、清らかで幸せな思いは
 活力に満ちた美しい体を作り上げる。

 私たちの「清らかな心」が健康な体を作って行きます。

 チベット体操のよいところは、体操を続けて行くうちに「心」が穏やかになって行く。 ネガティブな思考をどんどん手放せる。
 ささやかなことに対する幸せを感じたり、感謝をするようになる。
 つまり、「清らかな心」を養って行けるのです。

 病気の予防は、何より「心」の在り方にある。
 インフルエンザも風邪も怖くなんかありません。
 (もし仮にかかっても、いつかは治るのですから)

 冬の朝、寒くて体操をするのが辛い・・という声を教室でも聞きます。
 その時、思わず言ってしまいました。
「あら、でも、ヒマラヤはもっと寒いと思うけど。『寒いから出来ない』なんて言ってないと思うよ」と。
 そうです。
 寒い時こそ、チベット体操をして芯から温まって行きましょう。

 そしでこの寒い二月があるからこそ、春が待ち遠しい。
 春が来た時の喜びがあります。
 寒い二月、工夫して暖をとって行きましょう。

 みなさまが日々のチベット体操で「清らかな心」を手に入れられますように。


 
  2012年2月   梶本恵美