April, 2012
     

  「誕生」TANJOU  
 
 
 

 春が来ました。
 今年はお彼岸が過ぎてもまだ肌寒く・・冬ものが仕舞えなかったですね。
 春の訪れを待ちかねていた花々も、やっと元気に蕾を開き始めました。
 鳥のさえずりも聞こえ始めました。

 春は誕生の季節です。
 動物たちが生まれる季節。
 あたたかくなったお休みの日に、お花見だけでなく、動物園に行ってみてください。
 きっと、動物の赤ちゃんたちに逢えますよ。

 春は植物も芽吹く季節。
 動物たちも新しい生命を生み出す季節です。
 太陽から光が降り注ぎ、その光から植物が光合成をし、またその植物を食べる虫や鳥、動物がいて、その虫や鳥、動物を食べる動物がいて・・。食べることからも生命は延々とつながって行きます。

 私たち人間も太陽の恵みによって生かされている。
 太陽だけでなく、こうして吸って吐いて・・と生きている限り続けている息。
 空気から、水から、土から・・。
 私たちは自然によって生かされている。

 個体的にはいつの日か「死」が訪れ、土に戻ることがあっても、「生命」はつながって行く。
 私たちはもとは一つであり、この世に誕生して別々の人生を生きるけれど、「死」を体験するとまた一つのところに戻って行く。
 「誕生」と「生」そして「死」を繰り返してこの世に人生が織りなされて行く。
 人がこの世にたった一人しか存在しなかったら、「人生」はどうやって織りなすことが出来るのでしょう?
 人は人と出逢い、魂が呼応したり、響きあったり、また反発したり、離れたり、また引きあったり・・。そうやって人生が紡がれて行く。
 たった一人では「人生」にはならないのですね。

 私の人生にもたくさん人との出逢い、別れ、またつながりがあって織りなされています。本当にたくさんの人たちが人生に関わっている。
 新しい出逢いがあり、また、別れがあり・・豊かな人生を紡いでいる。
 別れがあるからこそ、「今」この時が大切でもある。
 昨年は私の周りで大切な方々が光の世界へと旅立って行かれました。
 また逢える、また、ご一緒出来ると思っていた・・・。
 「一期一会」という言葉が身に沁みる。
 より、いっそう、いつも「今」を大切にしようと祈念しました。

 そんな別れの季節を体験した冬を越え
 この春は新しい出逢いがありました。

 我が家に孫が誕生。
 長男のところに男の子が生まれました。
 私にとっては初孫です。
 初めての体験に、生まれるまで、ワクワク、ドキドキ。

 彼はベスト・タイミングでやって来ました。

 先月の20日、春分の日に、私は息子夫婦と久しぶりに食事をして、出産準備の品物を買ったりしながら、来月初めの予定日だから、もうすぐだね~などと話して別れました。 そしてその五日後、私が名古屋のデパ-トの洋服売り場のフィッティングル-ムで着替えていると息子から電話が入り・・お嫁さんが入院したという知らせ。じゃ、今日中に生まれるね・・と話して、まだ、服が決まらず、別の店で試着中に、今度は「誕生」の知らせが来ました。
 息子がお嫁さんに代わってくれて
 「安産でした。・・かわいいです」
 その声はわが子に対する愛溢れる母親の声でした。

 本当に嬉しくて、ありがたくて・・「おめでとう。そしてありがとう」と伝えました。 涙が溢れ・・フィッティングル-ムから出ると、お店の方々にも祝福して頂いたのです。

 そして、何がベストタイミングかというと、
・息子がお休みの日に産気づき、入院、誕生した。パパが無理なくずっと付き添えた。
・実はその翌日、父が聖路加に検査入院する予定で、ナ-バスになっていたところ、曾孫が誕生、しかも偶然、同じ病院に入院。父の憂鬱は吹き飛び、大喜び。
・生まれた翌日、夫は名古屋から東京に日帰りの出張があり、早速、孫とご対面出来た。・生まれたその日、娘は結婚の報告に相手のご両親に会いに行った。(慶びごとが二つ)
 孫を持つという体験は今回が初めてです。
 皆さんが「孫はいいわよ~」とおっしゃいます。
 生命がつながって行く喜び。

 昨日、やっと、彼とご対面して来ました。
 名前はJOU。(ジョ-)
 小さくて・・本当に小さくて。
 赤ちゃんて、こんなだったかしら?・・と思い出しました。
 確かに身体は小さいのですが、「生命」のかたまり、強いエネルギ-を感じました。
 これから、大きく育って行く「生命」の強さ、光の強さがありました。

 もともと、子供が大好きな私でしたが・・
 これからはますます、子供たちのために私たち大人がこの世に対してして行くこと。
 自分自身の残りの人生をかけて
 子供たちの未来のために
 よりよい環境、愛ある社会を築きたい。
 そのように思います。

 ひとりひとりの命の尊さを大切にしたい。
 自分に出来ることを
 今を大切に

 「誕生」
 私たちは誰もが、この世に生まれ出た日があります。
 あなたの誕生を喜び、祝ってくれた人たちがいる。
 もし、そのことを忘れてしまったなら・・

 今、あなたに・・
 生まれてくれてありがとう。

 お誕生日は、そうしてこの世に生まれてくれたことを祝う日。
 そのことを忘れないで・・と伝える日。
 生かされている命に感謝。

 毎日が、誰かのお誕生日。

 四月生まれのあなたに・・
 お誕生日、おめでとうございます。


 2012年、春のこのよき日に

 
 
   2012年4月  梶本恵美